最新レポート

【シングルス準決勝】
○加藤未唯（佐川印刷＝171位）　４－６，７－６（１），６－４　●ヤナ・フェット（クロアチア＝123位）

■2時間53分の戦いで勝利を決めた瞬間、加藤は「イエー」と叫んで、両手を突き上げた。「本当に苦しかった。セカンド（セット）もファイナル（セット）も、先にブレークされて。最後まで気持ちが切れずに戦って、皆さんの声援もあって、勝ててうれしいです」。コート上でのインタビューで、息が弾んでいた。

■執念を感じさせる逆転勝ちだった。世界ランキング上昇中の20歳とは初対戦。第1セットは競り負けて、第2セットも1-4と追い込まれた。ストローク戦で、フォアの破壊力では相手の方が上回っていた。しかし、劣勢でも加藤は、攻撃を封じるために、しつこく相手のバック側にボールを送った。ドロップショットや、時折スライスを交えてペースを変えるなど、気持ちよく打たせないようにコントロールしようとしていた。

■気持ちのアップダウンを少なくし、勝つためにやるべきことを冷静に粘り強く続ける。今大会で加藤がこれまでとの違いを見せているのは、この点だ。4ゲーム連取でばん回し、第2セットをタイブレークでものにした。最終セットも0-3から追いつき、終盤にはフェットが疲れの出た右足を気にして気力も折れ、全力でプレーできなくなった。

■快進撃は続き、加藤はツアー初の決勝進出を決めた。「今から楽しみです。自分の出せる精いっぱいのプレーをしたいです」。午後10時半ごろまでスタンドに残ってくれたファンに笑顔で手を振った。

（広報委員会）

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから！
https://www.jta-tennis.or.jp/tennisfan/tabid/105/Default.aspx