[男子シングルス4回戦]
○ロジャー・フェデラー(スイス) 6-7(4),6-4,6-1,4-6,6-3 ●錦織圭
■好調な出足で第1セットを5-2としながら、2度のサービスダウンで追いつかれた。タイブレークでなんとかセットを奪ったが、追い上げる数ゲームの間にフェデラーが復調、それが試合の行方に大きく響いた。立ち上がりは硬さが目立ったフェデラーだが、切り替えは鮮やかだった。「5-2から格段に彼のテニスがよくなった。自分のミスもあった。しっかり取っていれば、第2セットの入り方も変わっていた」と錦織が悔やんだ。
■第2セットは中盤までよく耐えたが、3-3からのサービスゲームでブレークを喫した。尻上がりにプレーの質を上げるフェデラーに、第2、第3セットを連取される。しかし、そのまま終わらなかったのが今の錦織の実力だろう。次第に敗色が濃くなる中、第4セットを奪ってみせるのだ。しかし、第5セットは最初のサービスゲームを落としたのが響き、その差を最後まで埋められなかった。
■フェデラーが王者と言われる理由を見せつけられる試合だった。序盤の錦織は相手のバックハンドへの攻めを中心に組み立てたが、次第にラリーで押される場面が増えた。ダウンザライン、逆クロスなどで「先に振り回される展開になってしまった」。第4セットを取り返したことで「あそこからギアを上げられたらよかった」と振り返ったが、「甘いボールを1球でも打てない」とフェデラーの圧力を感じながらのプレーに、終盤の集中力、体力は100%を大きく割り込んでいるように見えた。
■昼の試合では第1シードのアンディ・マリー(英国)が敗れていた。「(上位進出の)チャンスもあったので、もったいないとしか言いようがない」と錦織。落胆の色は濃かったが、「やれることを精一杯やって、いつかタイトルに近づけるように頑張りたい」と前を向いた。
(広報委員会)