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【クローズアップ・プレーヤー】尾崎里紗

【クローズアップ・プレーヤー】尾崎里紗

■女子で四大大会に次ぐ格付けとなるプレミア・マンダトリー(PM)は、男子のマスターズ1000に相当する。4月初旬まで行われたPMのマイアミ・オープン(米国)で、予選2試合を突破すると、本戦でも3試合を勝ち上がった。「すごくびっくりした。予選は自分のプレーをしっかりやれば(本戦に)上がれるだろうと思っていたが、本戦で3回勝つなんて」。2回戦では第16シードで世界ランク21位(当時)のキキ・ベルテンス(オランダ)にストレート勝ちした。「1回戦でも、2回戦が終わった後も、何で勝てたんだろうというのはあったが、私が年末から頑張ってきたことが実ったんだろうと思う」と尾崎は振り返った。

■ただ、4回戦では世界1位(当時)で第1シードのアンゲリク・ケルバー(ドイツ)に2-6、2-6で敗れて、ベスト8には進めなかった。「ストロークでは対抗できると思ったが、粘り強さ、試合の駆け引き、経験とかで相手がすごく上回っていた。前に入るスピードが速くてびっくりした。あの日はすごく暑くて私が熱中症みたいになってしまったのもあるが、体力的にも向こうが上だった」。世界のトップとの違いを肌で感じることができた。「まだもう少し(トップ選手と距離が)あると感じた。もっと努力しないと、あそこにはたどりつけない」。

■1994年4月10日生まれの23歳。2010年に全日本ジュニアの16歳以下単複優勝、11年には18歳以下単複優勝と、同年代のトップを走ってきた。12年末にプロに転向すると、13年には世界ランクを100位台まで上げたが、その後伸び悩んだ。四大大会も予選決勝で敗れるなどして、昨年まで本戦出場を果たせなかった。その間に同じ94年生まれの日比野菜緒が、15年のタシケント・オープン(ウズベキスタン)で優勝、トップ100入りして昨年の全豪から四大大会出場を続ける。同年代に追い越された格好だが、「同期の活躍は刺激になるが、私も頑張ればあそこまでできるはず、と考えるタイプなんです」と尾崎は言う。

■昨年から少しずつ手ごたえを感じていた。「以前はトップ選手に対して気持ちで縮こまってしまうところがあって、ツアーではなかなか勝てなかった。それが去年の春くらいから調子のいいときは勝てるようになった」。ツアー大会で80位台、70位台の選手を破って勝ち上がる経験を積むと、7月の米国ワシントンの大会では1回戦で第2シードのスローン・スティーブンス(米国=当時世界23位)を破る番狂わせも演じた。

■そして10月~11月には豪州のITF5万ドル大会で2週連続優勝。当時の尾崎は世界120位前後で四大大会本戦には届かない位置だった。この2大会でポイントを稼いでトップ100に入り、17年全豪は世界ランクで本戦入りする、という狙いだった。1大会だけの優勝では100位に届かない。だから、「2週連続で優勝しないと意味が無いと思って遠征した。最初の大会はナーバスになって精神的にもきつかったが、1試合目から気迫でもっていった感じで優勝して、翌週も気持ちを入れ直してプレーできた」。これで世界ランクを94位まで上げ、全豪への切符を手中にした。

■今季はいい流れでプレーできている。全豪の前哨戦のツアーでも予選3試合を突破すると、本戦でも格上を連破してベスト8に進出した。そして全豪では初めて四大大会の本戦を経験した。「緊張感に飲まれてしまったところがあって」、試合巧者の元世界5位、サラ・エラニ(イタリア)に敗れたものの、尾崎は「とても雰囲気のいい大会で、私も毎回、こういう大会に出られたらばいいな」という思いを強くした。そして3月のBNPパリバ・オープン(米国)では、予選を突破して初めてのPM大会本戦出場も果たした。

■尾崎のプレーは以前と何が変わったのだろうか。「個々のショットの質が上がった気がする。それでトップの選手とも対等に戦えているというのは実感している」というのが尾崎の答えだ。練習でもしっかり捕らえたフォアがいくと、相手からは「打ちにくい」と言う反応が返ってくるという。「厚いあたりで回転がかかるようになった。年末から体のブレとかを直していたから、パワーがロスしないでしっかり伝わるようになった。そういうボールが以前より多くなった」。さらに、「気持ちの部分も大きい。相手をすごいなと見ていたのが、試合や練習をするようになって慣れてきた」と加えた。

■これからは欧州のクレー・シーズンに入る。「私はハードが一番好きで、ジュニア時代はクレーが苦手だったけど、2年前にクレーの大会を多く回ったりして、昔より苦手意識はなくなった」と尾崎。「クレーはいつもより1本、2本多く考えないといけないので、体力も必要だし、精神的な我慢強さも必要だと思う。うまく私のテニスがはまれば、いい結果がでると思う」。年末に世界ランク50位を切ることが今の目標だ。

(広報委員会)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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