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【女子シングルス準々決勝】
○伊藤あおい（SBCメディカルグループ）　7-5, 3-6, 6-2　●佐藤南帆（三田興産）

🔳19歳の伊藤が佐藤南帆をフルセットで破り、昨年に続いてベスト4進出を決めた。「昨年は準決勝で坂詰（姫野）さんに完敗してしまったので、今年はもう一つは勝ちたい」と力を込めた。

🔳両ハンドともスピンの強打が全盛の時代にあって、フォアハンドのスライスや軌道が高くて緩いループボールを多用する伊藤のテニスは、いわば変則的だ。今季の伊藤にはさらに異端な部分と正統派の戦法が新たに加わった。観客を驚かせたのは左打ちのスマッシュ。右利きだが、食事の時は左手を使うなど、器用な面を持つ。「テニスでも生かしたい」と試みた結果がスマッシュだそうだ。この試合では2本打って1本をポイントに繋げた。

🔳正当派はサーブ・アンド・ボレーだ。昨年の全日本の後、室内の大会で試したところしっくりする所があって始めた。この試合では、両手打ちの佐藤の強打に対し、「ラリーになったら打ち負ける。積極的に前へ出るテニスを心がけた」という。サーブは決して速い方ではないが、センター、ワイドと厳しいコースに打って前に出た。マッチポイントは前に出たところで緩く返ってきたボールを右手のスマッシュで決めた。

🔳伊藤は変則テニスの訳を「とにかくパワーと体力がないですから」と言って苦笑いする。スライスならスタミナを使わない。しかし、この試合では「相手は打ち疲れたと思うけれど、こっちは速いボールに追いつくために走ったのでもっと疲れました」。背は高いほうだが、まだ体は発展途上だ。体力がもっとあればと、期待は高まる。

（日本テニス協会広報部）

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから！
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