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［男子シングルス３回戦］
○伊藤竜馬（興洋海運）　7-6(6),6-7(1),7-5　●住澤大輔（イカイ）

■これが今大会限りで引退する選手のプレーなのか。伊藤が３時間弱のフルセットを戦い抜いた。４－１から追いつかれた第２セットは、終盤疲れが出たのか、集中力の低下も見てとれた。「精神的にも体的にもダメージがあった」と試合後に明かした。だが、最終セット、３－５の土俵際でよみがえる。ブレークポイントで住澤のフォアがネットの白帯に触れ、ラインの外に落ちると、伊藤の雄叫びがコロシアムを震わせた。引退を惜しむファンの声援にもあと押しされ、４ゲーム連取で熱戦を制した。

■さすがに、３－５の場面では「（これで）終わりなのかという感じ」があったという。しかし、あきらめたわけではない。「応援してくれる人の支えもあり、開き直れて、いいスイングができた」。勝利を意識した住澤の硬さにもうまく付け込んだ。体力を最後までもたせたのも経験のなせるワザだ。「今年は結構、３時間の試合をやっている。“マラソン系”で、うまくペース配分し、大事なところだけ（ギアを）上げる感じで、体をコントロールしてやれているので、３時間とか２時間半のプレーができる」。

■準々決勝では第２シードの松田龍樹（ノア・インドアステージ）に挑む。「思いっきりくると思うので、自分も向かっていく姿勢を見せつつ、やっぱり今日みたいなベテランのテニスを見せたい」と柔和な笑顔を見せた。

（日本テニス協会広報部）

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから！
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