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［男子シングルス準々決勝］
○磯村志（やすいそ庭球部）　4-6,6-4,6-4　●片山翔（伊予銀行）

■ベテラン片山は序盤から飛ばした。低い弾道のグラウンドストロークをベースに、バックハンド・スライスなどで緩急を付けてきた。磯村は「（片山は）フォアハンドがすごくいい。ふところに入られたら展開されるので、とにかく動かす」と決めて臨んだが、逆に振り回される場面が多く、第１セットを失った。次の策として心がけたのは「耐える」ことだった。

■「相手のプレーがすごくよくて、あせりもあった」というが、「ファイナルセットに持ち込めば、どこかでチャンスが来る」と自分に言い聞かせ「耐えに耐えてプレーした」。ひたむきに戦った磯村が第２セットを奪い、勝負どころと位置付けた最終セットへ。ここでも一進一退だったが、４－４からの片山のサービスゲームで待望のチャンスが来た。デュースの場面で磯村が選んだのはドロップショット。

■これが、会心のショット、試合の行方を決定づける１本になった。「大事な場面が来るまで残しておこうと思っていた。相手もキツそうで、一発を狙っている様子だったので、その中で、最後に決めることができた」と磯村。迎えたブレークポイント、片山はバックハンドをネットに掛けると、力尽きたようにコートに崩れ落ちた。これが事実上のマッチポイントだった。

■「体力的になんとか勝ち切った。もう１セットくらいは行けた」と磯村が胸を張った。４度目の全日本選手権で、初の４強入りだ。片山との対戦が決まると「自分よりレベルが上。テニスがクリーンで上手い」と謙遜したが、粘り強さという持ち味を出してその相手を倒した。

（日本テニス協会広報部）

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから！
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