[シングルス第4試合]
○エリアス・イマー 6-3,6-3 ●綿貫陽介
■立ち上がり、綿貫はスローペースのラリーから一転、ダウン・ザ・ラインに攻めるなど、意図の明確なプレーを見せた。ブロックリターンから機を見てネットを取るなど、相手をあわてさせて自分のペースに引きずり込む巧妙さもあった。だが、第1セット2-3からのサービスゲームで急にミスが増え、初めてブレークを許すと、流れが相手に傾いていく。第2セットはブレークダウンからのスタートだったが、相手の乱調に付け込んでブレークバック、2-2に追いつく粘りを見せた。しかし、これが最後の抵抗だった。第7ゲームで再びサービスを落とし、ストレート負け、日本チームの敗退が決まった。
■随所に光るプレーはあったものの、プレーの波が大きかった。綿貫は「立ち上がりはいい形で入れたが、自分のプレーが乱れ始めたところからリズムを失ったのが敗因」と振り返った。必要だったのは安定感か、あるいは逆に、ミスを恐れず突き進む勢いだったのか。残念ながら、綿貫はそのどちらも披露することができなかった。
■チームの勝敗の懸かる最終試合を初めて任されたプレッシャーもあったという。「試合中は何も感じていなかったが、今感じるのは、チームの思い、応援してくださっている皆さんの思いは重かったなと。感じたことのない重圧があった」と明かした。E・イマーは13年からデ杯代表を務め、シングルスで11勝13敗の成績を残している。綿貫は3勝0敗、デビューから無敗は立派だが、経験十分とは言えない。ホームの声援を背に、闘志を内に秘め、終始安定したプレーを見せたイマーとは明らかな差があった。
■岩渕聡監督「少し力が足りず、勝つことが出来なかった。選手はコート上で持てるものを出してくれたし、スタッフもやれることはすべてやってくれた結果なので、しっかり受け止めて次に進んでいきたい。エリアス・イマーは、単複両方の試合で素晴らしいプレーをしていた。彼にやられたデ杯だと思う」
(日本テニス協会広報部)
本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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