【第1シングルス】
●ダニエル太郎 2-6、3-6、2-6 〇リシャール・ガスケ
■スタンドが一番盛り上がったのは第2セットの第6ゲーム。先にブレークされたダニエルが相手サービスでネットプレーも交えて4ポイントを連取、この試合唯一のブレークを果たして3-3に追いついた場面だ。一方的だった流れを引き寄せたいところだったが、直後の第7ゲームでギアを一段上げたようなガスケのプレーにおされてミスがでて、このセット2度目の手痛いブレークを喫して、最後まで主導権を握れなかった。
■「やらなければいけないことはやった。ミスはしたけど、このレベルでやっていくためには、失敗してもこういう風に(攻撃的に)やっていかなければいけない」。ダニエルがスコア的には一方的だった試合をこう振り返った。第1セットはベースラインから3~4メートル下がって、守備的なプレーだったが、第2セットからベースラインのすぐ後ろに立って攻撃的なショットを打つシーンも多かった。サービスでもファーストサーブとスピードがそれほど変わらないセカンドサーブで勝負してミスを誘った。
■ただ、世界18位はやはり手ごわかった。前週のチャレンジャー大会よりも弾まないボール、コートという条件もダニエルには厳しかった。「いいサーブを打っても簡単に返された。僕が勝つには相手のミスが必要なのに、いいボールと打ったと思っても、返ってくるし、返ってくるし、返ってくるし」。ダニエルは「返ってくるし」を3度も繰り返したが、確実に深いボールを返してきてほとんど甘いボールをくれなかったガスケを最後まで崩せなかった。バックハンドのラリーから展開するダニエルのプレースタイルも災いした。バックが得意なガスケ相手でも「自分のスタイルは失いたくなかった」と自分流を貫いたが、大事な場面でダウンザラインにバックのウイナーを何度も打ち込まれた。
■「いつもよりアグレッシブで、ミスも増えたかもしれないが、悪いミスではなかった。去年、ガスケと試合していれば、もしかしたら1セット取れたかもしれない。でも今日より走り回らされて、プレー的にやられていたと思う。今日はそうじゃなかった。それが目標だった」。先を見据える24歳だから、ホームでの黒星を次への糧にしてくれると信じたい。
(広報委員会)