[シングルス第2試合]
●西岡良仁 3-6,3-6,4-6 ○ジル・シモン
■錦織の欠場で、ナンバーワンとして初めて臨んだ西岡は、ストレート負け。「ところどころ、いいプレーができていたけど、相手にいい流れを断ち切られて、少しずつ差をつけられた」。元世界6位で32歳のシモンの技と経験に屈した。
■初顔合わせの格上に挑む姿勢として、出だしは良かった。バックハンドのストロークで展開し、チャンスと見ればネットへ出て、第2ゲームをブレーク。しかし、次のゲームをキープできず、勢いをすぐに失ってしまった。ミスの少ないシモンに対して、西岡は積極的にネットに出て揺さぶる狙いだった。だが、西岡が左右に振って、コーナーを狙ったボールも、相手のリーチは長く、何度もバックハンドのダウンザラインで鮮やかに返された。「なるべく前に行って、という形を取りたかったけど、(相手の)プレースタイルがカウンターで簡単に切り返されてしまって、なかなか攻められなかった」。日本のサウスポーは、じわじわと攻め手を失い、焦りの色がプレーに見えた。第2セットも先にブレークして3-2としたが、その後に4ゲームを続けて落とした。
■試合の流れが大きく変わるチャンスは、第3セット中盤にあった。ブレークバックして3-3とし、盛り上がるスタンドからの声援も力に、続くゲームもしっかりとキープした。だが、この大事な場面で、サービスエースを取るなど、集中力とプレーの質を高めたシモンは「強打して振っても返ってきた。その(西岡の)姿勢が素晴らしかったから、一切油断はなかった」と話した。西岡も悔しさをかみしめながら「もう1ポイント取れたら、取れたかもしれないセット。それを取れなかったのが僕の実力で、それが彼の強みだったかもしれない」と認めるしかなかった。
(広報委員会)