[シングルス第1試合]
○ファビオ・フォニーニ 6-4, 3-6, 4-6, 6-3, 6-2 ●ダニエル太郎
■追い込まれたフォニーニが土壇場で世界22位の底力を見せた。第4セットからはバックのスライスが増え、強引にポイントを狙うショットが減った。第3セットまでは毎セット25本前後のミスを重ねていたフォニーニだが、第4セットからの2セットのミスは計35本。プレーの変化を数字が示している。「あまりいい試合ではなかった。悪いプレーでも勝てたのは、チームにとって良かった」。フォニーニは素っ気ないコメントだった。
■ダニエルにチャンスはあった。最終セット、第3ゲームの相手サーブでは30-40の好機を作ったが、痛いボレーミスがでて先行できなかった。ただ、ダニエルは「(ボレーを決めていれば)流れが変わっていたとは思うが、それで6-2、6-3で終われたとは思わない。自分のサービスで苦労していたから、サービスをキープする自信はなかった」と話した。それまでの4セットで8度ブレークされていただけに正直な気持ちだろう。「(フォニーニは)僕の球が浅くなったら必ずウイナーを打ってきた。後半はワイドサーブの質も上がって苦労した」「(終盤に)悪いプレーをしたとは思わない。これが22位の実力なのかと思う」とダニエルが試合を振り返った。
■一方でダニエルは、「満足とはいいたくないが(プレーは)良かったかな。負けはしたが、最近では一番良かったと思う」とも話した。「いつもだったらもっと振り回されてボールを入れるだけのパターンが多くなったと思うが、今回は彼を僕と同じくらい走らせることができた。(ポイントが)彼のミスかウイナーだけではなかった。僕がいいプレーをしたから2セットを取れた」。大舞台で、格上相手に挑戦者に徹してプレーして、ダニエルがまた一つ自信を深めたのは間違いない。
(広報委員会)