The 99th All Japan Tennis Championships
三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権99th
[男子シングルス決勝] ○伊藤竜馬(北日本物産) 6-3,6-0 ●徳田廉大(フリー)
■徳田は伊藤の印象を「パワーが強くて外国人選手みたいな感じ」と語っていた。遠征先で練習をともにする機会もあり、その球威を肌で感じていた。「一方的に押されると思う」という戦前の予想はもちろん謙遜ではない。だからこそ、「いかに緩急をつけ、1本でも(多く)打たせてミスをさせるか」の工夫と粘りが必要だった。しかし、その狙いを伊藤が完璧に封じた。
■第1セット冒頭のゲームは5度のデュースの末、伊藤がブレークに成功する。伊藤はある意図を持ってこのゲームに臨んでいた。焦って攻めれば徳田の術中にはまる。だから、まずは様子を見た。伊藤は「どっしり行こうというのを見せようと思った」と表現した。自分はそこからギアを上げて攻めていくこともできるし、我慢することもできる、両方できることを相手に見せたかったという。
■巧みなマインドセットが功を奏し、伊藤は冷静でしかも力強いスタートダッシュを切った。ブレーク成功で「(ラケットが)振り抜けるようになり、自分のペースになった」と伊藤。第6ゲームで相手にブレークバックを許したが、そこからさらにギアを上げた。「しっかり攻めようと自分に言い聞かせた。そこからはゾーンに入ったというか、ボールしか見えていない感じで、いつの間にかポイントを取っていた」。結局、徳田にはこのブレークバックが最初で最後の見せ場となった。
■横綱相撲のように自分のプレーを強く押し出す伊藤に、徳田は「付いていくのがやっと」だった。「何かを変えなくてはと思い、攻めを意識」したが、真っ向勝負は伊藤の土俵であり、第2セットは一方的な展開になった。徳田は「打ち合う状況ではまだまだ差がある。自分のプレーを貫くこともできなかった。球の質、プレーの展開も伊藤選手が上回っている。完敗でした」と脱帽した。
■5年ぶり2度目の全日本選手権制覇が伊藤には新たなスタートになる。大会前に同期の藤井信太を二人目のコーチとしてチームに迎えた。優勝賞金400万円は、遠征にコーチやトレーナーを帯同するために使う。今大会では、我慢すべきところは我慢し、ここというときに躍動感を出して攻めていくプレースタイルに手応えを得た。「来年が楽しみ」と伊藤。新しいチーム体勢と改良したプレースタイルで勝負をかけるつもりだ。もちろん、目指すのは16年の全豪を最後に遠ざかっている四大大会本戦だ。
(広報委員会)
本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから! http://www.jta-tennis.or.jp/tennisfan/tabid/105/Default.aspx 「日本テニス協会公式ブログ」はこちらから! http://jta.blog.so-net.ne.jp/
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