[シングルス第2試合]
○大坂なおみ 6-2,7-6(5) ●ユリア・プチンツェワ
■プチンツェワとはこれまで1勝3敗。直近の対戦が19年とはいえ、18年の初対戦から3連敗を喫していた。世界ランキング50位、直前のWTA1000グレードのマイアミオープンで準々決勝に進出したプチンツェワは、出産を経て4年ぶりにBJK杯に出場する大坂にとって、難しい相手だった。大坂は「最初から、また試合中もずっと、超緊張していた」と言う。国別対抗戦の独特の雰囲気は「特別なモチベーション」になったが、その反面、「負けたくない、負けてみんなをがっかりさせたくない」という重圧も大きかった。
■「とても大きな助けになった」と振り返ったのが、サーブだった。奪ったエースは15本。ファーストサーブ時のポイント獲得率は82%に達し、セカンドサーブでも65%をポイントにつなげた。相手に3度ブレークポイントを握られたが、一度もブレークを許さなかった。相手のプチンツェワも「彼女のサーブが今日の試合を決めたと言ってもいい」と脱帽した。
■ベンチに座る杉山愛監督の存在も大きかった。第2セット中盤以降はプチンツェワのサーブとポイントの組み立てが奏功し、大坂がラリーで押される場面が増えていた。しかし、ベンチでの会話が大坂の支えになった。大坂は「いつも冷静」と杉山監督を信頼する。調子を上げてきた相手のサーブにどう対応するか、頼れる監督と相談しながら対策を立てた。これがタイブレークでの2度のミニブレークにつながった。
■団体戦特有の緊張感と、プチンツェワのプレーの重圧を跳ね返したのは立派だった。第2セットのタイブレークでは、ミニブレークを返され4-4になったが、ポイント間にラケットのストリングスに目を落として落ち着きを取り戻すと、鮮やかなフォアのダウン・ザ・ラインを決めた。力で圧倒したのが第1セットなら、勝負強さを発揮して競り勝ったのが第2セットだった。スコアは離れたが、「実際、タフな試合だった」と大坂。いくつかの「ステップ」を積み重ねての快勝に、大坂は「このような結果を得られてすごくうれしい」と笑顔を見せた。
■日本の杉山愛監督「日比野選手が100点満点、120点のスタートを切ってくれた。今までBJK杯では緊張したり空回りしたり、力が出せなかったこともあるが、今回は気持ちを整理して完璧な勝利をつかんでくれた。いい流れを日本に持ってきてくれた。大坂選手も緊張感をうまく自分で受け止め、やるべきことがしっかりできた。2勝は我々にとっては本当に大きい。いい流れで2日目を迎えられる」
■カザフスタンのユーリ・シュキン監督「言うまでもなく非常にタフな1日になった。日本の選手は二人ともとてもいいプレーをしたと思う。明日はまた別の1日。これから何ができるかわからないが、もう一度再考し、明日、ベストを尽くしたい」
(日本テニス協会広報部)
本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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