最新レポート

【男子シングルス2回戦】
○伊藤竜馬（興洋海運）[3]　6-4,4-6,6-0　●小倉孝介（フリー）

🔳今大会男子シングルス本戦では最年長となった伊藤（35歳）が2回戦から登場、27歳の小倉孝介をフルセットの末に破って3回戦に進んだ。伊藤は「初戦だからタフマッチになるとは思っていたけれど、勝ちきれて良かった」とホッとした表情を見せた。今年から、ジャパンオープンで活躍した望月慎太郎の臨時コーチを務めるなど、コーチ業をスタートさせた。その分、選手としての大会が減り、「体力トレーニングはずっとやっているけれど、全日本のための試合練習は5日間ぐらいしかしていない」という。そのため第2セットは足がガックリ止まった。相手の体調不良で最終セットは6ー0で奪ったが、「年齢もあるし、2時間戦った分ぐらいはリカバリーの時間を取らないといけない」と苦笑いだ。

🔳2013、18年のシングルス王者で、4大大会に数多く出場してきた。しかし19年あたりから「オーバートレーニング症候群」にかかり、疲労が取れていないのにハードなトレーニングをして、心身ともに悪くした時期があった。ようやく落ち着いてきた最近は、メンタル的に浮き沈みが減ってきたという。コーチ業をするにあたって、「辛い時やアップダウンなど選手に伝えることが多いし、自分的には分析するのが好きなので戦略を考えるのも面白いと思えるようになった」。引退はまだ考えていないが、来季はコーチ業の割合が増えそうだ。

🔳全日本は22年に4大会ぶりに復帰し、引退宣言していた添田豪を破ってベスト4入りした。「現役バリバリの時はガツガツ、ピリピリした感じだったけれど、コーチもやっている今は練習量は減ったけれど、正直言って一番楽しい。気楽にできるし、相手との駆け引きも楽しめる」。コーチを経験したことで自分も成長できたともいう。3度目の優勝を果たすと九鬼潤が記録した男子最年長優勝34歳9カ月を8カ月上回る。それを聞くと「今大会最年長もやった、という感じだけれど、最年長Vはモチベーションがもっと上がります」。コーチとの二刀流で記録更新なるか。

（日本テニス協会広報部）

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから！
http://www.jta-tennis.or.jp/tennisfan/tabid/105/Default.aspx