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［女子シングルス１回戦］
○大前綾希子（橋本総業）　3-6,6-2,6-1　●押野紗穂（島津製作所）

■16年大会に優勝、今回はノーシードで出場の大前が逆転勝ちで２回戦に進んだ。第１セットは硬さが見られ、本来の攻撃力を発揮できなかった。「最高峰の大会。勝ちたいという気持ちが強く、ここまで準備してきた。いい緊張だったらよかったが、いい緊張に持っていけなかった」と全日本への思いが動きを硬くして、セットを失った。

■だが、試合の中で修正できるのが、自己最高世界ランク188位のベテランの強み。「持ち味の攻撃を出す前にミスしてしまっていた。ミスを減らしてしっかり返し、食らいついていこうと考え方を変え、そうすると、ちょっとずつ足も動いてきた」。第２セット以降は攻撃の精度も威力も、序盤とは段違い。鮮やかな逆転勝ちだった。

■対戦相手の押野は競技生活に区切りをつけると決めており、今大会が最後の全日本選手権になる。二人は今春まで同じ実業団チームで切磋琢磨した仲。「人柄も知っていたし、お互いにベストを尽くす試合にしたいなって、ドローを見た瞬間から思っていた」と大前。その言葉通りの熱戦、両者の気持ちが観客に伝わる好試合だった。

（日本テニス協会広報部）

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから！
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