[シングルス第2試合] ○ダニエル太郎 7-6(3),6-4 ●張択
■張も第1試合の李に近いプレースタイルで、その勝利に力を得て臨んだはずだ。ダニエルは西岡同様、ブレークダウンの立ち上がりで、第1セットは3-5と先行を許した。だが、あわてなかった。4-5からの相手のサービスゲームをブレークすると、タイブレークは7-3と圧倒した。「ブレークする少し前から少しずつ僕のラリーのペースになりかけていた」と、主導権をじわじわ引き寄せ、満を持してブレークバック。タイブレークでは相手のリズムは明らかに崩れていた。
■「速いペースが好き、高いボールを交ぜると苦労する」と、相手の分析までは西岡と同じ。違ったのはそこから先だ。「ボールを上げられるところまで上げて、ミスっても、たまにアグレッシブにしていたほうが相手のリズムを崩せると思った」とダニエル。弾道の高いトップスピンを軸に、甘いボールには積極的にコースを変え、あるいは上から叩いた。徹底したミックスアップに張はリズムを崩し、ミスが増えた。タイブレークが一方的になったのは必然的だった。第2セットは張も立て直したが、ダニエルも一度握った舵を手放さなかった。
■西岡の敗戦を受けての登場だったが、動揺は一切なかった。西岡が敗れるのを見て、「相手(張)がもっと良いプレーをしてくる」可能性を想定した。「相手(の出来)が良くて、崩れてくれなければ負けても仕方ない」と覚悟を決めた。正しくマインドセットして、冷静に戦術を遂行したダニエルの快勝だった。
■日本の岩渕聡監督「1勝1敗はある程度、想定していた。アウェーで相手が予想以上の力を出してくることは頭にあった。中国のムードで(第1セットの)ブレークダウンまで行って、そこから太郎が跳ね返してくれたのが大きい。相手の流れを押し返し、明日につながる良い終わり方ができた」
(広報委員会)
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