【シングルス第3試合】
〇西岡良仁 6-3、7-6(0) ●ジェーコブ・ファーンリー
■試合前の西岡は、「(錦織戦のファーンリーは)すごいプレーが多くて光った所しか見えなかったので、どうなるかという思いがあった」という。第1セットの立ち上がりは相手強打に苦しめられて、第1ゲームと第5ゲームのサービスゲームは、デュースに持ち込まれた。第2、第4ゲームの相手サーブでは、2本のサービスエース、フォアのウイナーなどを連発されて1ポイントも奪えなかった。
■しかし、第6ゲームに試合の流れを逆転させた。相手サーブでリターンポジションを大きく下げて、確実にサーブを返球すると、スピンの効いたボールを使って緩急とともに相手打点に高低差もつけて、ラリーを展開した。「彼のバックは低いバウンドは好きだけど、ゆっくりしたボールは踏み込まないと打てないので、苦しくなってもそこに打てばラリーになる。攻めるんだったら相手のフォア、守るんだったら相手のバック。相手のフォアを狙っていって、バックに振ればフォアサイドが空くので、ボールコントロールしながら、フォアに少しずつプレッシャーかけていった」。西岡が狙い通りに相手のミスを引き出して、サービスブレークを果たした。第2セットは6-6までもつれたが、タイブレークは7ポイント連取で決着をつけた。
■ほかの選手以上に相手を分析して、対策を練って試合で実行するのが西岡の持ち味だ。「どの選手に対しても、こういう展開があってこうなる、こういうことが起きるからこうやっていけば、相手はこうやってくるだろうっていうのをいろんなパターンで想定をしていける。プラス、僕はあまり力はないが、いろんなことをなんとかやってみようとしてできる。そのあたりが相まって、いろんなプランを作りそれを実行できる」と言う西岡らしい試合だった。
■英国とは9年ぶりの対戦。前回、日本が1-3と惜敗したこのときの対戦で、西岡もメンバー入りしてダブルスに出場したが、白星はつかめなかった。「そのときは基本的には戦力になれていなかった。今こうやって英国戦の戦力の1人として戦えて、実力が伸びてきているのを実感する」と西岡。「若い世代が台頭してきていて、いろんなペアリングでダブルスもいける。日本チームが強豪国の英国とちゃんと戦っていける実力になりつつあるのはすごくうれしい」。西岡がデ杯の目標に掲げるファイナル復帰まであと1勝となった。
(日本テニス協会広報部)
本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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