■2025 ビリー・ジーン・ キング・カップ(BJK杯) by Gainbridge ファイナル予選グループAが11日から東京・有明コロシアムでスタートする。開幕前日の10日には、有明コロシアムで出場する日本、カナダ、ルーマニアの記者会見が行われた。第1日の11日は、カナダ対ルーマニア(13時開始)、12日には日本対ルーマニア(13時開始)、最終日の13日には日本対カナダ(11時開始)の各対戦が行われる。各対戦はシングルス2試合とダブルス1試合の3試合で競われ、先に2勝したチームの勝利となる。ファイナル予選は世界6か所で3チームの総当たり戦が行われ、各グループ1位の6チームが、9月16日から21日に中国の深センで行われるファイナルに進出する。ファイナルには昨年優勝のイタリアと開催地の中国を加えた8チームが出場する。
■11日の開幕を控え、各チームの選手、監督が記者会見を行った。日本の杉山愛監督は「今回はシングルス2本、ダブルス1本という短期決戦で、一戦一戦が本当に大きい。3か国での戦いは初めて。最後まで何が起こるか分からないので、1ポイントでも1ゲームでも1セットでも多く奪い、勝利をつかむことがキーになる。ランキングでは我々日本が優位に立つが、ランキングはあまり意味がないのが団体戦の怖さ。目の前の一戦一戦をしっかりと戦うことが、ファイナルへの近道になる」と抱負を述べた。チームの状態については「みんな、いいエネルギーで、ここまで準備できている」と自信を見せた。
■日本チームのシングルス世界ランク最上位は、51位の内島萌夏だ。昨年11月にスペイン・マラガで開催されたBJK杯ファイナルでは、準々決勝のイタリア戦でジャスミン・パオリーニに挑んだが、勝利をつかめなかった。「ファイナルで悔しい思いをしたので、またファイナルの舞台に戻って、そこでみんなで勝つように、まずこの予選をしっかり勝ち抜きたい」と経験を糧にするつもりだ。記者会見で「エースの自覚はあるか」と問われると、苦笑しつつも「あります」と答えた。7日に会場に入り、「いい練習もできているし、チームの雰囲気もとてもいい」と準備万端だ。
■昨年、WTAツアーの木下グループ・ジャパンオープン女子で4強入りするなど大躍進、今回初めて代表入りしたのが20歳の伊藤あおいだ。今季も好調を持続、ランキングを自己最高の104位に上げて対戦に臨む。記者会見では「一番年下なんですが、優しいお姉さん方に囲まれて、楽しい--楽しいって言ったらあれですけど、有意義な練習をさせていただいている」と、初々しさを見せた。また、「こんなすごい方と(ともに)選ばれること自体、考えてもなかった。日本代表って響きがすごいかっこいいので、今後、何かあった時にステータスになると思う。選んでいただいて、すごいうれしいです」と、プレー同様、独特な表現で意気込みを示した。
■昨年のBJK杯ファイナルで柴原瑛菜は初めてシングルスに出場、ルーマニア戦とイタリア戦で殊勲の勝利を上げた。「新しいフォーマット(3チームによる予選)で、どういう雰囲気になるか、すごくワクワクしている。マラガではいい思い出もあった。すごくいい試合で、結果も出せて、自信を持てた。団体戦が大好きで、そのおかげもあって、すごくいいプレーができたと思う。同じ勢いでいきたい」と自信満々で今回の対戦に臨む。
■BJK杯ファイナルのルーマニア戦では1-1からのダブルスを制し、チームに勝利をもたらしたのが青山修子、穂積絵莉のペアだ。一方、イタリアとの準々決勝では同じ状況で敗れ、チームは4強入りを逃した。青山はその経験を踏まえ、今大会へのモチベーションを語った。「グランドスラムタイトルを個人戦で取るのは本当に難しいが、団体戦であればまた違った雰囲気やエネルギーがあって、チャンスがあるんじゃないかと感じられた。もう一度、ファイナルで戦うことができたら本当に素晴らしい」。
■穂積はイタリア戦を振り返り、「ダブルスに勝敗がかかった試合で負けてしまって、本当に悔しい思いをした」と話し、こう続けた。「チームジャパンの力、BJK杯ファイナルで優勝できる力をすごく感じた。まずはここでホームの力を借り、一戦一戦、自分たちの全力を出し切って、またファイナルに出場できるように頑張りたい」
■ルーマニアのホリア・テカウ監督「我々は非常に若いチーム。3人が今回初めてBJK杯に臨む。彼女たちが色々なことを学び、コートでは全力を尽くし、情熱を持って戦ってほしい。昨年11月にマラガで日本と対戦したのを鮮明に覚えている。とても強いチームだった。柴原選手がとてもいいプレーをしたし、ダブルスも強力だった。集中すること、そして十分な準備をすることが、今回、我々にできることだ」
■カナダのハイディ・エルタバク監督「日本もルーマニアもとてもタフな対戦相手で、難しい試合が予想される。選手たちには、まずはコートで全力を尽くすこと、そして、勝利を手にすることを期待している。100%の力を出してくれると確信している。日本はとても強く、数字の上では最もランキングが高いチームだ。なかでも伊藤選手はユニークなスタイルを持っているので、気を付けなければいけない」
(日本テニス協会広報部)
本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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