【全豪オープン】
(1月14日~27日・メルボルン、オーストラリア)
[女子シングルス決勝]
○大坂なおみ 7-6(2),5-7,6-4 ●ペトラ・クビトバ(チェコ)
■大坂が21歳にして世界の頂点に上りつめた。決勝は、勝った方が月曜日に更新される世界ランキングで1位になる頂上決戦だった。両者とも初のナンバーワンがかかっていた。プレーの調子、気力、体力とも充実した二人のラリーは第1セットから白熱した。最高峰を争うにふさわしい打ち合いが何本もあったが、タイブレークは大坂が圧倒した。
■第2セットも激しく競り合った。あとのないクビトバのボールに伸びが出てきた。ビッグサーバーの両者だが、このセットはブレークが相次ぐ展開。一歩抜け出したのは大坂だった。5-3で迎えた相手のサービスゲームで0-40のトリプルマッチポイントが訪れた。しかし、ここはクビトバがファイトした。窮地にもかかわらず、武器のサーブとフォアハンドで攻撃的にプレー、サービスをキープした。次のゲームでブレークを許した大坂は、ラケットでシューズを叩いて悔しがった。ショックを引きずった大坂は、次のサービスゲームもブレークされ、セットオールに持ち込まれた。
■ここからの大坂の立て直しが、最大のターニングポイントだった。悔し涙の大坂はトイレットブレークで間をとった。そうして、「ここでの時間を楽しもう、去年は4回戦で敗れたのに今年は決勝を戦っている、この舞台でプレーできること自体が幸せなのだから後悔だけはないように」と自分に言い聞かせたという。その後は「感情を持たないロボットのように、ただ任務を遂行するだけだった」。独特の表現だが、高い集中力を取り戻したことが分かる。第2セットの失敗を反省、正しくマインドセットし直したのだ。
■ついこの間まで、潜在能力を台無しにするゲーム運びの拙さ、精神面の未熟さを露呈していた選手とは思えなかった。恐るべき速度で大人の選手に成長した大坂が、昨年の全米に続く四大大会連覇と世界ランク1位の二つの栄冠を同時に手にした。
(広報委員会)
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