【全豪オープン】
(1月18日~31日・メルボルン、オーストラリア)
[男子シングルス準々決勝]
○ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 6-3,6-2,6-4 ●錦織圭
■ターニングポイントは誰の目にも明らかだった。第1セット、2-3からのサービスゲームで、錦織は40-0としながらブレークを許す。グラウンドストロークのミスを続け、最後はダブルフォールト。試合の行方を左右する大きなブレークダウンとなった。
■影響は、スコアの上で劣勢になっただけではない。計54本ものアンフォーストエラーをおかした要因を会見で問われた錦織は、こう答えた。「出だしはよかったが、あのゲームを落としてからミスが増えた。焦りと、相手に余裕が出てきてプレーがよくなった」。ブレークを境に、錦織は「焦り」、ジョコビッチに「余裕」が生まれた。精神面に大きな優劣がついたことは、格上に挑む錦織には大きなハンディとなった。その力関係は最後まで揺るがなかった。
■何も手を打たなかったわけではない。序盤から、弾道にも変化をつけて丁寧に配球した。第2セットは、より堅実に、という狙いも見えた。しかし、ジョコビッチのプレーが安定したことで、錦織のミスは逆に増えた。「相手は関係なく、自分のミスばかりだった。集中力が抜けていた部分があった」。錦織は苦々しげに振り返った。
■これまでの4試合で失ったセットは、わずかに1。自身のプレーに手応えを感じながらの王者への挑戦だったはずだ。「もうちょっと何かできただろうし、自分の力を全部は出せてなかったと思う。ちょっとふがいない」。2年連続8強は立派な成績と言える。しかし、錦織には苦汁の味だけが残る準々決勝となった。
(広報委員会)