【全米オープン】
（8月29日～9月11日・ニューヨーク、米国）
［男子シングルス準決勝］
○スタン・バブリンカ（スイス） 4-6,7-5,6-4,6-2 ●錦織圭
■アンディ・マリー（英国）との準々決勝で５セット、３時間58分を戦ったダメージが、第２セット以降、錦織の足を止めた。第１セットは躍動感のあるプレーでバブリンカを圧倒した。しかし、一進一退の展開となった第２セットを５－７で失うと、目に見えて動きが鈍り、アンフォーストエラーが増えた。中盤以降、勝機を見出そうとネットプレーも試みたが、流れを変えるには至らず、３セットを連続で失った。第２セット以降のバブリンカはバックハンドの精度が上がり、隙がなかった。第２シードのマリーを四大大会で初めて倒したが、２年ぶりの決勝進出、さらに四大大会初制覇の夢は第３シードに打ち砕かれた。
■蒸し暑い気象条件が、疲れた体に追い打ちをかけた。「疲れて思考力も低下して、徐々に動けなくなってきた。長いラリーで食らいつくプレーが難しくなった」と錦織。思考力と、ラリーで見せるしぶとさは錦織のプレーを支える両輪。それが十分に働かなければ、過去２勝３敗の強敵を倒すのは難しい。相手サービスゲームのブレークから始まった第２セットを落としたのも痛かった。「取っていれば気持ち的にもプッシュできたと思う」と悔やんだ。
■よほど悔しかったのか、「言い訳にはなるが」と前置きしたうえで「マリーと５セットやっていなかったら、もうちょっと元気に戦えた」と本音を吐き出した。また、「（決勝までの）７試合勝つにはドロー運なり、多少の運も必要」と、準々決勝以降、上位３シードと続けて当たる厳しいドローを嘆いた。それでも「最近、トップの選手にも勝てるようになってきているので、自信を持って戦いたい」と前を向いた。リオ五輪銅メダルに続く全米４強は胸を張れる成績だ。楽天ジャパンオープン、さらに３年連続の出場が有望なＡＴＰツアー・ファイナルに向けて、シーズンのラストスパートをかけていきたいところだ。
（広報委員会）
本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから！
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