【ウィンブルドン】
(7月2日~15日・ロンドン、英国)
[女子シングルス3回戦]
○アンゲリク・ケルバー(ドイツ) 6-2,6-4 ●大坂なおみ
■ケルバーが最初から高い集中力を発揮した。30歳の元世界ランク1位が1球ごとに声を出し、気迫を前面に押し出して20歳の大坂に向かってきた。対戦成績は大坂の1勝2敗だが、ケルバーには初対戦となった昨年の全米1回戦での敗戦が苦い記憶になっていたはずだ。「彼女がどんなプレーをするか分かっていたから、最初のポイントから自分のプレーをすること、アグレッシブにいくことが重要だった」とケルバー。大坂も最後まで集中を切らさず食い下がったが、主導権を奪うことはできなかった。
■終始、ケルバーに押されていたが、序盤のプレーは悪くなかった。第1セット、大坂のファーストサーブの確率は50%、セカンドサーブ時のポイント獲得率は33%と冴えなかったが、ラリーではアンフォーストエラー6本、ウィナー7本とまずまずの出来だった。アンフォーストエラー1本のケルバーがよすぎたが、大坂が自分のプレーは悪くない、相手の出来がよすぎる、と前向きにとらえていれば、試合の流れは変わったはずだ。大坂はこの課題ともうしばらく向き合うことになりそうだ。
■「初めてのセンターコートを楽しめなかったことが一番残念。何もかもうまくいかなかった」と大坂が悔やんだ。元女王の気迫と試合態度に気圧されたようなところもあった。潜在能力はピカイチの大坂だが、まだまだ実戦で学ぶことは多い。
(広報委員会)