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【ウィンブルドン選手権】国枝慎吾が初優勝、生涯ゴールデンスラム達成

【ウィンブルドン選手権】国枝慎吾が初優勝、生涯ゴールデンスラム達成

【ウィンブルドン選手権】
(6月27日~7月10日・ロンドン、英国)

[車いすテニス男子シングルス決勝]
○国枝慎吾 4-6,7-5,7-6(10-5) ●アルフィー・ヒューエット(英国)

■国枝が優勝カップを両手に抱え、どうだ、取ったぞ! とでもいうように小さく何度も突き上げた。この勝利がどれだけ欲しかったか。その仕草と晴れやかな笑顔に国枝の思いが込められていた。ウィンブルドンのシングルス初タイトルは、生涯ゴールデンスラム達成の瞬間でもあった。

■ウィンブルドンでシングルスが採用されたのは16年。国枝は右ひじの手術でこの年の大会を欠場、その後も芝コートへの対応に苦しみ、タイトルは近づいてこなかった。ただ、今回は意欲的だった。「どういうふうにプレーすればいいのかが少しずつ明確になってきている」と話し、「ここで(ゴールデンスラムを)達成したい」と意欲を見せた。

■初戦から好調の国枝は、決勝も素晴らしい出来だった。ところがヒューエットも劣らず好調だった。ほとんどの試合はどこかで流れが定まるものだが、この試合は最後まで行方が分からなかった。最終セット、国枝は2-5と土俵際まで追い込まれる。それでもあきらめなかった。正確には「もうダメかも」という思いと「いや、まだまだいける」という思いが交錯していたという。自身の頭の中でも「戦いをやっていた」と国枝は打ち明けた。

■試合前の重圧もすさまじかった。昨年の東京パラリンピックで念願の金メダルを獲得、その後の成績は「ボーナス」ととらえ、この決勝にもリラックスして臨めるものと思っていた。ところが朝起きると「(初タイトルを)取るなら今日しかない」と東京パラの決勝のようなプレッシャーが押し寄せたという。

■だが、国枝はヒューエットのパワーとタイトルの重圧を共に制圧してしまう。頭の中にあったのは、芝の王者ロジャー・フェデラーにみずから尋ね、授かった助言だ。〈どのポイントでも攻め続け、ミスしても悔やまない〉。3時間20分に及んだ決勝で、国枝は終始、このアドバイス通りの前向きな態度と攻撃的なプレーを貫いた。

■パラリンピックのあとはモチベーションの低下に悩まされた。しかし、「よりうまくなる、より強くなる」と「テニスの原点」に戻ることで意欲をかき立てた。手にしていなかったウィンブルドンのタイトルもモチベーションの一つになった。「これで完結したなとも、ちょっと思った」と国枝。今後の目標は「帰ってからゆっくり考えたい」と述べた。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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