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2026.03.31
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【四日市チャレンジャー】第7シードの野口莉央が、実績で上回る内山靖崇に逆転勝ち

■四日市チャレンジャー(ATPチャレンジャー50)は三重県の四日市テニスセンターでシングルス決勝を行い、第7シードの野口莉央(明治安田、245位)が、25年デビスカップ日本代表の内山靖崇(積水化学工業、308位)との競り合いを制した。第2セットに内山のマッチポイントをしのぎ、逆転勝ち。1月のタイ・ノンタブリーに続く、チャレンジャーでの今季2勝目となった。

[シングルス決勝] 
○野口莉央(明治安田) 5-7,7-6(5),6-3 ●内山靖崇(積水化学工業)

■所要時間2時間44分。観客はスタイルの異なる両者のバトルを満喫したに違いない。過去の対戦は1勝1敗と互角。野口は対戦前、内山について「外国選手とやっているようなポイントの取り方をしてくる」と警戒した。強力なサーブを軸に、早めの決着をねらう内山と、ロングラリーから自分の展開に持ち込み、持ち味を出す野口。両極端のプレースタイルが、この試合の妙味だった。

 ■ただ、どちらかと言えば野口の領域で試合が進んだと思われる。内山も「すごいラリーをやらされる展開になると思う」と覚悟を決めていたが、想定以上に長いラリーを強いられたはずだ。こうなると、持久戦に強い野口のアドバンテージは動かない。第1セットは失ったが、第2セットは5-6から相手のマッチポイントをしのぎ、タイブレークでものにした。最終セットも勝負どころで内山のサーブを破り、逆転劇を締めくくった。

■野口は「結構、僕も足に……。昨日の試合が長かったので、序盤から体の状態がしんどかったので、どうなるかと思った」と明かした。それでも、走力と精神力は最後まで衰えなかった。「フルセットまでやれたのは、メンタルの部分が大きかった」と野口。フィジカル面で両者、ギリギリの勝負だったのは明らかだ。その中で、思うように動かない体を精神力で持ちこたえさせた野口は立派だった。一方の内山も、躍動感にあふれる、見応えのあるプレーを披露した。

■野口にとっては、全仏オープンの予選枠入りの懸かる試合だった。世界で戦っていくために、ここでポイントを得ておきたい。一方の内山も、今後のツアーや四大大会につなげたいのは同じ。だからこそ、試合は白熱した。野口にとって目に見えないアドバンテージとなったのは、球足の遅いサーフェスに自信があったこと、そして、2回戦で相手のマッチポイントをしのいで勝った勢いだ。大会全体の分岐点として、野口はその2回戦を上げた。

■「(窮地を)一つ乗り越えたら、大きな結果を出せるっていうのは“あるある”な気がする。そこは大きかった」と野口。決勝での獲得ポイントは野口の112に対し、内山靖崇は108。僅差の戦いを制した背景には、決勝までの歩みの中で、大ピンチをしのぎ、自分から攻めて試合をひっくり返した自信があった。決勝でも、特に第2セットはフォアハンドからの厳しい攻めを見せた。強みを出し尽くしたからこそ、野口はこの息詰まる接戦を「楽しかった」と振り返るのだ。

■「おそらくフレンチオープンの予選に出れるランキングになったと思う。そこが一番うれしい」と野口。さらに「身長がない、ビッグショットがない中で、自分がいい波に乗れた時にはこのレベルで通用すると再確認できたのはすごく大きい」と振り返った。多くの意味で、この決勝、この大会は、会心の勝利、今後につながる戦いとなった。

(日本テニス協会)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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