■ジュニア女子シングルスは決勝を行い、第4シードの園部八奏が第6シードの米国選手を破り、四大大会ジュニア初優勝を飾った。昨年の全米オープンジュニアに続く2度目の決勝進出で念願をかなえた。全豪オープンジュニアで日本の女子選手の優勝は初めて。四大大会では1969年のウィンブルドンで沢松和子が優勝して以来、56年ぶり二人目となった。
[ジュニア女子シングルス決勝]
○園部八奏 6-0,6-1 ●Kristina Penickova(米国)
■所要時間54分に園部の長所、魅力が凝縮されていた。ウィナーが14本、相手にミスを強いて得たポイントが16と、終始、ラリーの主導権を握った。サーブは最速で177キロをマーク、ファーストサーブ時のポイント獲得率76%とサービスゲームに安定感があった。
■昨年の全米オープンに続く四大大会ジュニアの決勝。全米では力を出せなかったが、経験がここで生きた。「コートに入る前はまあまあ緊張してたんですけど、1、2ゲーム経ったらもう、緊張はほぼほぼなかった」と実力を発揮した。1万5000人収容のロッド・レーバー・アリーナに足を踏み入れても、「すごい拍手いっぱいでワクワクしました」と動揺することはなかった。
■盛田正明テニスファンドの奨学生として、3年前から米国のIMGアカデミーで腕を磨く。同ファンドの弘岡竜治コーチによると、プレッシャーのかかる大事な場面でも「ラケットを好きなだけ振って狙いにいけるところ」が長所。いわば「チャンピオン気質」の持ち主だという。幼い頃を振り返り、「別にめっちゃ勝ちたいとかは、あまりなかった」と園部。「いいテニスができればいいかなと思っている」と結果にこだわらず、武器のフォアハンドとサーブの攻撃力を伸ばし、頂点に立った。
■今大会は初戦で予選勝ち上がりの中国選手に大苦戦した。2時間29分の熱戦を最終セットのタイブレークで制したが、終盤熱中症の症状が出て、試合を終えてもベンチから立ち上がれなかった。弘岡コーチは「最後まであきらめず、ファイトしたところが一番の成長」と優勝の要因の一つに上げた。
■視線の先にあるのはプロだ。今後は下部ツアーをスケジュールに入れ、来年には四大大会の予選に出場できるようにランキングを上げていきたいという。「試合後に、もう一度、(一般の部で)ロッド・レーバーで試合がしたいなって思った」と園部。夢に向かって、大きな一歩を踏み出した。
(日本テニス協会広報部)
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