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2026.07.13
JTA大会レポート

【ウィンブルドン選手権】車いすテニスで上地結衣が生涯ゴールデンスラム達成

■車いすテニスは女子シングルス決勝を行い、第1シードの上地結衣が第2シードのディーデ・デフロート(オランダ)に6-0、6-0で完勝、シングルスでのウィンブルドン初優勝となり、生涯ゴールデンスラム(四大大会とパラリンピック全制覇)を達成した。車いすテニスでは国枝慎吾、小田凱人とデフロートに続き4人目(上肢にも障害があるクアード部門のディラン・アルコット=豪州らを含めれば6人目)、日本女子では初の達成となる。

[車いすテニス女子シングルス決勝] 
○上地結衣 6-0,6-0 ●ディーデ・デフロート(オランダ)

■対戦成績20勝49敗、宿敵のデフロートを衝撃的なスコアで下し、上地が念願の初優勝を飾った。勝因は攻撃に徹したことだ。序盤から相手のサーブを攻め、動揺を誘った。上位同士での対戦ではめったに見られないスタッツがある。相手の第一サーブ時の上地の得点率は63%、第2サーブ時には80%に達した。リターンからのアタックで重圧をかけ、相手を打つ手なしの状態に追い込んだ。計20本のウィナーを決めた上地が、わずか47分で決着をつけた。

■上地のマッチポイント。デフロートのリターンが力なくネットに掛かった。上地はその瞬間を「どこにサーブを打つかに集中していたので、ボールがネットを越えなかったことに気づくのが少し遅れた」と振り返る。表彰式を待つ間は涙、涙。声を詰まらせながら、「自分が今ここにいるなんて、まだ信じられません」とスピーチした。いつになく感情をあふれさせた理由を上地が明かす。 

■「これまでの自分の取り組みや、一緒に頑張ってきた人たちへの思いからくるものだった。ともに歩んできた人たちの顔が、フラッシュバックのように浮かんできた。支えてくれた方々に本当に感謝している」

■決勝までの道のりは険しかった。芝に向けて十分に準備したが、実戦で改めて難しさに直面する。昨年、決勝で敗れた王紫瑩(中国)と当たった準決勝では「自分が(展開を)作りにいっても、それを帳消しにされるショットがあった」と、一発で仕留めにくる相手のプレーに衝撃を受けた。「芝はある意味、(自分が取り組んできた)テニスじゃない」とさえ思わされた。勝っても、納得がいかない。「自分に何ができるのかが分からない」。そんな葛藤を抱えながら決勝に勝ち進んだ。

■しかし、最大のライバルとの決戦に、覚悟を決めた。「自分のスタイルとかけ離れたところでも、とにかく(攻撃的に)打っていこう」。集中し、夢中で戦ううちに、経験したことのない感覚がやってくる。「構えたときに『絶対、これ入るな』と思う場面がたくさんあった」と上地。最高のパフォーマンスが発揮できる、理想的な精神状態だ。これに関しても、上地は支えてくれたチームや家族、選手仲間らの目に見えない後押しを強調した。「自分の実力や集中力(のたまもの)と言いたいが、それだけじゃないものがたくさん味方してくれたと思う」。

■日本女子初の偉業達成にも「自分より先に(車いすテニスを)プレーして築き上げてくださった方たちと、みんなで一緒に成し遂げられた成果」と謙虚に話す。ただ、高い向上心を持ち、試行錯誤をいとわない上地だから達成できた偉業であるのは間違いない。

(日本テニス協会)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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